零戦の復元に向かって
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第三部 南方の島に眠っている零戦を探し求めて
平成7年 月のある日、大将から突然「零を見に行こう!」と、ロスから電話が入った。
何時も事で、自分の都合に合わせた、自分勝手なスケジュールで。
勝手な事を言って来る方もそうなら、聞く方も、聞く方で。
「多分、南方の何とか島で、ハワイとグァムの中間位だろう。」としか、考えなかった。(地図で調べようともしないで)
今回は、仕事のスケジュールが詰まっていたので、曖昧な返事をして置いた。 と、言う事は、殆ど中身を聞いて居なかった、と言う事で、余り乗り気では、無かったのでした。
だから私は、すっかりその事を忘れて、珍しく仕事に没頭していました。
大将は、私に電話を寄越す前に、自分で集めた資料と、情報に基づいて、一度既に現地へ行き、場所と、どの機体が復元可能かを、調べての結果だったのです。
この時、大将と同行したのが、:アルマジロ:だったのです。
もう一度、確認の電話が入った。
結局、大将の旨い言葉(俺の弱点を見抜いた)に乗せられて?口説かれて?行く事になってしまいました。
メンバーは、:大将プラスその他の人達:の中の、高木氏こと:狸ちゃん:と、高知出身の東山こと:子猪八戒:。そして、そして、:超ダンディーな:とおるちゃん:でした。(自分の事だけ、格好良く書いてっか?)
東山の:子猪八戒:と言う渾名は、東山が、大将の生徒になった時に遡ります。
何故か、東山は自分の能力を、自覚しない?と言うか、自覚出来ない?と言うか、馬鹿と言うか(東山には大変、失礼!失礼!)、只単純に(脳細胞も単純に)飛行機が好きで、飛行機に乗りたいと言う執念に、取りつかれてしまったのでした。
それで、知り合いの、高知県警察のお回りさんの、日比氏に紹介を頼んで、大将の生徒になってしまったのです。
きっと、この事は後々、東山にとっては、自分のひ弱な性格を、大きく変える良い?きっかけになった出来事に違いありません。
東山が、大将の所で訓練を受けて、そろそろ訓練の後半になる頃、私が、アクロバットをやる為に、ピッツと言う複葉の飛行機を買いに、大将の所へ行きました。
私が、アクロバットを始める経緯は、今回の零戦の復元にも関係が有るのです。 この事は、後で書く事にします。
勿論、事前に大将に掘り出し物を。見つけて頂いてから行ったのです。
東山の訓練も、後半になって来たので、今まで以上に相当厳しくなって来たのです。
多分、東山は坊ちゃん育ちだったのではないかと思います。普段の行動から見ても、おっとりしていて、その上:鈍臭い:のです。
空の世界では、一度空中に浮いてしまったら、堅固な精神力と意志が必要不可欠です。
思考力、判断力、反射神経、行動力が、人一倍しっかりしていないと、パイロットにはなれません。
訓練中に、飛行機のコックピットで大将に、相当しごかれて来た事は想像出来ました。何しろ、大将は:鬼教官:で有名ですから・・・
何時もの事で、家へ帰ってから、酒を飲みながらのミーテングが有りました。
私も、訓練を受けていた頃は、これが何よりの楽しみでした。(他の生徒達は、地獄の苦しみだそうです。私の場合は、大好きな酒が飲めるのでー・・・)
今日も、夜の特訓が始まりました。
柳田スクールのOBは、誰一人この地獄の特訓を回避出来た者は、:ありましぇーん:。有り難い・・・有り難ーい特訓なので有ります。
ダイニングのテーブルに、大将・大将の隣に私・大将の真っ正面に東山・その隣に:狸ちゃん:・そして、その他の生徒達が座ります。
そして、そ・・そして・・・大将以上に怖い、噂の:根性入魂棒:が大将の手元に鎮座いたして居ります。
この:根性入魂棒:と言うのは、大将の息子のプラスティック製の玩具のバットなのです。
ところが、この:根性入魂棒:を甘く見ちゃいけません。一発食らうと、眼から火花が飛び散ります。痛い!痛い!半端な痛みでは有りませーん。
生徒の誰かが余計な事に、他人の順番の、夜の特訓中に、退屈しのぎに大将の息子の:将太:のバットを見つけ、マジックペンで黒々と:根性入魂棒:と書いたんそうです。
それを、見つけた大将が、「夜の特訓には丁度よい。手が痛まなくてー。」と、此の:根性入魂棒:に依る地獄の特訓を始めたらしい。
勿論、:根性入魂棒:の性能を第一番目に試された奴は、余計な事をした、馬鹿生徒だったそうです。そうそう、その馬鹿生徒は:杵渕:とか言う生徒です。
だから、生徒はみんな・・・夜が怖いー!・・・何処かの、恐妻亭主みたい! 今日の訓練の、反省会が始まりました。
着陸への、ファイナルアプローチのコースの取り方・高度処理の仕方・タッチダウンの為のフレアーのかけ方・・・全ての操作の下手な事と、判断のあまさ、反応の鈍さ等を指摘されました。
「同じ場所で、同じ操作の間違いを、何度も繰り返すな。」
「風が右から吹けば、その強さと方向を修正しろ!何時も空は、同じ条件には無いんだ。修正した分だけ、アプローチの距離が延びて、滑走路が遠く成るんだ。パワーを入れないと、滑走路の手前に不時着する事になるんだ。」
「状況判断の甘さと、それに対する反応の鈍さが目立ち過ぎるんだ。」
有り難ーい:根性入魂棒:が、彼の頭へゴツン!・・・東山、涙がぽろり!
「泣くんじゃ無い!泣く前に、空で反応しろ!」
又々頭へ、:ゴッツン:・・・東山、涙がぽろり。
次の日も、その次の日も続きます。
4日目の:夜が怖ーい:時に、:仏のとおるちゃん:は、たまりかねて、トイレに行く振りをして、ダイニングの陰へ:子猪八戒:を手招きして、「東山よー、何でお前は、何時も大将の真ん前に座るんだよー。大将から、少し離れた場所に座れよ。そうすれば、もしかして:狸ちゃん:か、他の誰かに鉾先が変わるかもよー」って。
東山奴め、俺様の顔も見ずに下を向いたまま、頭でコックン。
翌日の夕方、私がウイスキーとビールを買い込んで、皆より少し遅れて大将の家に着いて、大将の脇へ座った。(誰が決めたか知らないが、何時も俺の座る場所は、大将の脇に決まっていた。)・・・唖然ーん・・・
今夜も、又々、大将の真っ正面に座って居るのは、東山じゃ:あーりませんか?:
特別その場所が、東山の席に決まった訳でも無いのに・・・
又々、涙々の東山なのです。
「お前、余程あの場所が好きなんだねー。だったら、場所を変えろって言わないからさー、せめて大将と目が遭ったら、頭を下げとけよ。」
「どうなるんですか?」
「どうにもなんないよ。大将の有り難ーい説教?小言?が、お前の頭の上を通り過ぎるだけだよ。」
「お前は、その人一倍面積の広ーい顔を、デーンと大将の真っ正面にまるで、*キツーイ一発を、お願いしまーす*と言う様に、据えて居るから、まともに大将の言葉がぶつかるんだ。:つーの!:」
東山奴、思わずにやりとした。
翌日からは、何かが吹っ切れた様に、昼も夜も、東山は活き活きとして、行動がまるで、別人の様に軽やかになったのです。(操縦も軽やかにやれよー)
私のヒントが効いたか、効かないか?大将の地獄の特訓と:根性入魂棒:の成果が、実ったのか?は別として、無事ライセンスを手にする事ができました。
:おめっとーさん:
この、地獄の特訓の何回目かの時、特訓が一段落してから、「南方の島へ、零戦の残骸を探しに行こう。」と、言う話が出ていました。
:その後の東山が、日本に帰って、突然に自分の性格を変えたのか?変わらなかったのか?は、定かで無い!:
日本に帰ってから、:子猪八戒:に何回も遭っていますが、人間的にも、精神的にも、別人の様に逞しく変わっていました。
先日も、私の飛行機で彼をキャプテンにしてフライトしましたが、すっかり一人前のパイロットとしての操縦振りでした。大将の所で、訓練を受けていた時とは、大違いでした。
ところで、話が外れてしまいましたが、高知県警のお回りさんの日比氏が、:孫悟空:の:猪八戒:の、そっくりさんなのです。
日比氏の紹介で生徒になった事と、これが又、東山は日比氏以上に、:猪八戒:そっくりなんです。
それで、日比氏の子分で、:猪八戒:の一寸小さめなので、:子猪八戒:!
ちなみに、私のあだ名は:髭ゴジラ:・・・見た通りでーす!
みなさんは、:ダンデーなとおるちゃん:と、可愛いく呼んでくれます。
そうそう、大事な大事な大将は・・・ジャーン・・・:紅の豚:!
以前私が、大将の所へ行った時、スキー用のピンクのウインドブレーカーを着ていたのです。それを見た大将が、
「そんな、怒派手なジャンパー着て!」って言ったから。
「大将も、着てみな!似合うよ。」って言って、そのピンクのウインドブレーカーを、無理矢理着せたんです。
その格好で、飛行機に乗ったらー・・・解ったでしょー!
あの漫画、:紅の豚:のモデルは、大将では無かったのでしうか?もしも、映画化されるのだったら是非、推薦のNO・1・・・
まるで、動物園?下手物集団?・・・まっ、どっちでもいっかー!
そんな訳で、南方の島へ零戦の残骸を探しに行くメンバーは、:下手物集団:に簡単に決定してしまったのでした。なんと、脳細胞の単純な仲間なんでしょ! :紅の豚:と:子猪八戒:は、ロスからホノルルへ。
:髭ゴジラ:と:狸ちゃん:は、成田からホノルルへ。
ホノルルの空港で、:超ー地味ーな四匹の下手物たち:は合流し、チームを結成したのでした。
チーム結成の式典はー・・・来賓を一人も招待しないで(来てくれる人が誰も居る訳がないので)、只々、派手に呑んだのでした。
ちなみに、この日の呑み代は、:狸ちゃん:の奢りでした。:狸ちゃん:て本当に良い奴でーすー。あっ、よいしょっと!
一寸待って!:狸ちゃん:のあだ名の由来を紹介しなくっちゃー!
それにしても、「高木氏のあだ名は、:狸ちゃん:で良かったなー。」狐じゃ絶対似合わないもの。
ん?「狐はもっと気の利いてる顔をしてる。」って?そっかー。
そーそー、:狸ちゃん:のあだ名たっけー。
何の事は無い、目ー一杯、狸に似てるだけの事だったのです。「なーんだ、つまんねーの!」
ところで、この:狸ちゃん:は、もう何年も、毎月1日から15日〜6日頃迄、大将の元へ訓練に通って来る、変わり者なのです。
:狸ちゃん:は、仕事の都合上、どうしても長期の休暇が作れないのだそうで、それでお金がかかつても毎月来るそうです。
:狸ちゃん:のパスポートを見ると、成田とロスの空港での、入国と出国のスタンプがびっしりと、捺印してあります。
そう言う訳で、:狸ちゃん:がライセンスを手にしたのは、大変な時間を要したのです。
これと言うのは、腕の善し悪し、勘の鋭さ鈍さ、精神力の太さ繊細さ、大将のしごきが解らないというか?馬鹿と言うか?豚馬と言うか?(タヌちゃん御免よー!)・・・一般常識の問題外なのです。
只々、大将に屁針(へばりつく、と言う字はこれで良いのかなー?)着いてた結果、大将が今までの生徒には無かった、何倍ものキツーイ特別メニューと:夜の地獄の特訓:を提供した結果に違いありません。
これは絶対、:狸ちゃん:の粘り勝ち以外の何物でも有りません。
:狸ちゃん:の勝ちー!
柳田スクールのOBで、:狸ちゃん:程、飛行機で一番長く、大将との関わりを保った奴は居ないでしょう。
一寸待って!もう一人忘れちゃいけない:下手物:が、一匹いました。
:アルマジロ:が:狸ちゃん:と、どっこい良い勝負をします。:アルマジロ:も結構時間を掛けてるそうです。未だ、免許に合格してないんです。だから、:狸ちゃん:の記録を塗り替えるかもねー!
:狸ちゃん:って、顔もー?性格もー?本当に憎み切れない、良い人なのです。
そーそー、もう一つ:狸ちゃん:の素晴らしい得意な物が有りました。アウトドアスポーツのオーソリティーなのです。
今回の、南方の島の調査では、大いに本領を発揮しました。
携帯コンロ、燃料、食器類、インスタントラーメン、ウイスキー、焼酎、日本酒、酒のつまみ、衣類用の洗剤、香取線香、薬類、その他諸々、登山用の大きなザックに詰め込んで、持参してくれました。
ザックの重さは、軽く30kgを越えていました。
私は、ホノルルへ来る為に:狸ちゃん:と上野で落ち合ったのです。:狸ちゃん:の姿を見て、余りの物々しさに、吃驚してしまいました。
このプロジェクトには、掛け替えの無い、使い勝手の良い人なのです。
四匹の:下手物:が揃ったので、いよいよマジェロ経由で、クワゼリン島へ出発です。
南太平洋に浮かんでいる。地図で見ても点にしか見えない程の、本当に小さい島です。
前回の、第二部に出ていた、コミューター航空会社のエアーマーシャルに。予約の確認の電話を入れて驚き!
「飛行機が修理中で、出発は何時になるか解らない、多分5日後になります。」だって。
大将が、ロスから予約を入れた時に、約1月程前から飛行機が修理中で、スケジュールが狂って居る事は、知らされていたそうだが、こんな事になっていたとは知りませんでした。
一週間に、一便しか飛ば無い飛行機が、こんなもんでどうすんだろう?
この日に合わせて、ホノルルで合流したのは、修理が済んで運行再開の日が明後日と言う事の返答を信じての事だったのにー。
頭にカリカリ来て、みんなで自棄酒を呑んでいた時、誰かが飛行機の便を調べていた。マジェロからクワゼリンに飛んで居るのは、エアーマーシャルだけじゃなく、他にもマジェロからクワゼリンに飛んでいる航空会社が有る事が解った。 宛にならないエアーマーシャルよりは、まだ頼りになりそうなので、この会社の便に振り替える事にした。
しかし、このエアーラインのマジェロからの出発が、3日後という。ホノルルに、もう2日間も足止めになってしまう。
「ホノルルで、動物園を開いて金儲けでもするか?」
いくら特別に目立つ、変な下手物動物を、たったの四匹集めた?集まった?移動動物園で、超怒派手な呼び込み(パフォーマンスって言ってよ!)で、宣伝してみても、余程の物好きでも無い限り、観客等集まる訳が有りません。
増して、入園料を払って見ようなんて酔狂な観客等、居る訳が、あり得ませーん。
そんな事よりも、問題なのは、こんな変な下手物動物たちに?、無駄な餌を食わせられる程の余裕は、無いって事です。
食って、呑んで、それも日本食で日本のビールと言う。折角ハワイに来たんだもの、「日本では、お目にかかれない様な、地元独特の安い物を食え!」ってんだよーだ。金に余裕も無いのに、大見栄張っちゃって、「日本食で日本のビールだって?贅沢すんじゃない!」これから、一杯お金掛かるんだよー。
贅沢な摘みで、贅沢な酒を呑みながら雑談をしていたら、:髭ゴジラ:が「折角ハワイに来て、時間が余っているんだったら、キラウエア火山を見物に行こう。」と提案しました。
ワイキキビーチで、短足出尻の日本娘(最近の餓鬼達?ギャル達?は、そうではありません。「結構プロポーション:いっすよ!:おっさん遅れてんジャーン!」「うっせー!俺の若かった頃は、そうだったんだっつうの!」「日本ギャルの裸体を見て:キャーン玉:押立ても、惨めになるだけだ。」(もう、おっ立たないよー!無理ー!無理ー!)
そうゆう訳で、威勢良く?うっそー!未練残して威勢悪くー!って諦めて、キラウエアへ行く事が、衆議一決してしまいました。
何言ってんだろー?もう、頭グッシャグシャ!
翌日、荷物をまとめて、必要以外の物をホテルのフロントへ預けて、ホノルル空港へ。
このホテルに、日本人のおねえちゃんが、アルバイトで居るのを、:狸ちゃん:が目聡く見つけて、上手くコネを付けたらしい。
:狸ちゃん:が付けたのは、種じゃ無いよー、コネだよー、くれぐれも間違わないでねー。
ホノルルから、ハワイ本島(ビッグアイランド)へは、定期便が一時間毎に、有るらしい。まるで、日本の地方都市の電車並のダイヤなのです。料金もタクシー並です。
ハワイ本島の何とか?空港(惚けで、忘れてしまった)へ着き、レンタカーを借りて、颯爽と移動動物園の:どさまわり:の開始です。
火山の方へ行く前に、景色の良い海岸通りを走っていました。途中、キャンプ場の案内看板が目に付きました。
:紅の豚:が、おっと失礼!大将が、車を止めて、「南方の島では、キャンプ生活をしなきゃなんないんだから、ここで、キャンプのリハーサルでもするか?」と、言い出した。
「おい、狸!キャンプ道具持って来たか?」
:狸ちゃん:「アイアイ、サッサカサー」・・・もー:狸ちゃん:浮かれちゃって、浮かれちゃって・・・自分の出番を待ちかねた様に・・・
ところが、:髭ゴジラ:が「海辺のキャンプは、これから嫌と言う程出来んだから、どうせだったら、キラウエアのど真ん中でやろう。」と言い出した。
この意見も又々、充分な審議もせずに、簡単に満場一致(四匹)で、可決成立してしまいました。
なんて、単純明快で、脳細胞の希薄なグループなんでしょう。益々、グループの絆は、強く、強ーく?結ばれて行くのでした。
そんな訳で、海辺のキャンプ場を、さっと見ただけで、火山の方へ向かいました。
この海辺のキャンプ場は、清潔で、日本での、一部のマナーの悪い連中が使用した後の様な、不潔さや、設備に悪戯書きの模様等は、全く見あたりません。
景色も良いし、設備も、環境も整備されていて、日本のキャンプ場とは、大違いでした。これが、当たり前なんでしようね。日本人の一部の、マナーの悪い連中を、恥じてしまいました。
キャンプをしている人が、設備の修理をしているのを見ました。聞いてみると、自分の道具と、自分で材料を持ち込んでの事だそうです。これも、ボランティアのほんの一部なんだそうです。自分達の設備、と言う意識が有るんだそうで・・・ 只々、脱帽の限りでした。
この島は、キラウエア火山その物が島なんだそうです。しかし、日本の火山の様に、山が急激に高くそびえているのでは無く、なだらかに、何時の間にか高くなつているのです。だから、道路が急坂ではないので、車で走っている内に、何時の間にこんな高さに来てしまったのか?と思う程です。
島の、北の方から登ったので、北の方は火山が噴火した痕跡は全く無く、只、大きな山を登った様な感じだつたのです。
山の東側に出た時に吃驚!・・・青森の恐山なんて到底及びも付かない、程の規模なのです。いやいや、比較の対象に恐山を出したのが、間違いでした。
私の乏しい、知識の範囲で思い浮かんだのが、目一杯恐山で・・・その他に、比較する物が全然思いつかない・・・それ程、規模が大きいのです。
噴火口の形は、まるで、月面のクレーターです。その直径は大きい物で、田沢湖がすっぽり入り込んでしまう程の大きさです。
こんな噴火口が、あちこちに有るのです。
スケールの大きさに、只々、圧倒されてしまった。ここでキャンプを張る事等、記憶の中からすっかり消え失せて居ました。
もう、誰もが、キャンプのキャの言葉も、:出ましぇーん:!
噴火口の何カ所かを見て、麓のヒロと言う町に降りて来ました。
ヒロの町で、モーテル風の洒落たホテルを見つけ、チェックインしました。
この町は、日本人の移民が多いとの事で、周囲を見回しても日本人の様な人が大勢居ます。殆どが日系三世なのだそうです。
夕食の為に入ったレストランは、矢っ張り日本レストランでした。メニュウは、刺身とキリンビールでした。贅沢者めー!
結局は、ビッグアイランドに来ても、特に珍しい食べ物は敬遠して、日本食と日本のビールでした。
翌朝、遅い朝食を取ってまっすぐ空港へ向かい、そのままホノルルへ戻り、:狸ちゃん:のお気に入りの、日本人のお姉ちゃんが居るホテルへチェックインしました。
その夜は、大将が「ホノルルには:どどめ:が居るんだった。:どどめ:に案内させよう。」と言って、財布の中から、電話帳を取り出して電話をかけた。
:どどめ:と言うあだ名に付いては、多分、大将が絡んでいる事は、想像出来ますが、未だ詳しい実態は判明していません。
:どどめ:と言うあだ名の由来については、責任を以て調査し、判明次第、御報告いたします。
大将の古い友人の:どどめ:氏?本名なんとか?氏の案内で、日本人が殆ど出入りしない、飲み屋へ行き結構安い料金で飲み食いました。勿論カラオケ等ありません。
その後、:どどめ:氏の勧めもあって、男の発散場所へ行こうと言う事になりました。これも日本人の居ない場所を選んでくれました。
:どどめ:氏は、ホノルルでガイドの仕事をしているとの事でした。そんな訳で、色んな穴場を知って居るのでした。
:どどめ:氏が案内してくれた。男の場所は・・・ストリップバーなのです。
日本のシステムとは、少々違う見たいで、ストリップ嬢が観客の直ぐ前に来てウインクします。
客がその子を気に入れば、チップを彼女のガードルに挟みます。と言う事は、最低、一ドル紙幣になります。すると、その子はその客の前で、約1分位スペシャルサービスをします。
勿論、「お客様、お客様商品にはくれぐれもお手を触れないで下さい。」
しかし、とてもそんな事は出来ません。店の入り口には、プロレスラーよりも強そうな、厳つい顔のガードマンが、ピストルを腰に落として構えて居るのです。 こんな奴に脅かされたら、:キャーン玉:が縮こまってしまいます。
そうそう、思い出した事が有ります。
前回の、零戦の調査の時は、:アルマジロ:と大将の二人だったのです。
その時も、:どどめ:氏の案内でストリップバーに行ったそうです。その時、偶然?幸運?災難?にも、物好きな?好奇心の強い?下手物好き?な、ストリップ嬢が、:アルマジロ:の前で、ウインクしてしまったのです。
:アルマジロ:一生に一度か二度かの是校のチャンス、逃してたまるかー・・・空かさずポケットに手をつっこんで、ドル紙幣を掴み、ドルを握った手が大きく膨張している事と、自分の:キャーン玉:が、ドル札を掴んだ手以上に膨張して居る事をすっかり忘れて、思いっきり引き抜いた。当然、:アルマジロ:のズボンのポケットはビリー・・・
鼻の穴をおっ広げた、:アルマジロ:・・・下がった眼鏡を、指の先で刷り上げて。咄嗟に掴んだドル札を:お嬢:のガードルに、汚ったねー爪の手で挟んだ。
:お嬢:は、:アルマジロ:が挟んだドル札をチラッと見て、もう一度、超濃厚なウインクを送った。(結構、見てない様で素早く見ているのです。)
:アルマジロ:・・・たっまりましぇーん・・・もう、目が潤んで、うりうりのー!ウットリのー!
それは、そうです。チップは普通1ドルか、5ドルなのです。
100ドルのチップ!・・・超破格のチップです。
「ウインクなんか、何発でも振る舞って上げる。こんなもん、減るもんでも無いじゃありましぇーんか!」・・・
普通のチップと、:アルマジロ:のチップの違いは、唯一、スペシャルの時間が若干長かったそうです。
すっかり、モテモテ気分の:アルマジロ:と大将と:どどめ:氏が店の外へ出たら、:アルマジロ:が一歩遅れて後ろで何やら、ごそごそやっている。
「一寸待っててー」と言って、ストリップバーへ戻って行った。
暫くして、ションボリと帰って来た。
:アルマジロ:は大勢の観客の中から自分を選んでくれた、:お嬢:に感激して、一時も早く:お嬢:に自分の存在をアッピールしたかったのでした。その唯一の手段は、チップを誰よりも早く:お嬢:のガードルに挟む事だったのです。
だから、ポケットの中で自分の手に触れたのが、100ドルか、5ドルかを、確認する余裕も無く、:お嬢:のガードルに100ドル紙幣を挟でしまったのでした。
店を出て、冷静になった:アルマジロ:はポケットの中に残って居た、紙幣を確かめて、100ドルと5ドルを間違えた事に気が付いた。店に戻った:アルマジロは:、血眼になって:お嬢:を探したのは、言うに及びません。
もしも、:お嬢:が見つかったとしても、:アルマジロ:は、100ドルを英語で返してもらう言い訳を、上手に表現出来ると、思ったのだろうか?
店の中を、変な奴がうろうろして居るのを見逃す程、ガードマンは甘くはありません。
ガードマンに:アルマジロ:が摘み出された事は、容易に想像出来ます。
肩を、落としてトボトボと歩く:アルマジロ:の姿は、なんとも可哀想でした。
スペシャルサービスの、詳しい内容の表現を出来なくて:ごめんねー!
詳しく聞きたいでしょう。しかし、紙面の上では表現してはいけません。御用になってしまいます。希望者は、・・・・?
ハワイでの、ある日の:アルマジロ:の一件でした。
話が、大分逸れて仕舞いましたが、すっかり、ホノルルの夜を堪能した、:下手物:四匹は、めろめろになってホテルに帰って、枕を抱いて素直?に御就寝いたしました。
唯一人、軍歌のカラオケを歌いたかった一匹を別にして・・・・
翌日は、しらけた顔でタクシーを拾い、ホノルル空港へ向かいました。
いよいよ、ホノルル発ジョンストン島経由でマジェロ行きです。
マジェロ迄は、ミクロネシアエアラインの古いボーイングの727で行きます。
ボーイングの727は、日本の航空会社では、とっくにリタイアして、一機も使用していません。ミクロネシアエアラインで使用している機体は、殆どが日本のエアラインからの、払い下げが多いそうです。
此処で、コミューターのドルニエに乗り換えます。座席が11席しかないターボプロップの双発機です。その上、一週間に一便しか飛びません。
一週間に一便しか飛ばないのには、理由が有ったのです。珊瑚環礁の島々(国々?)を飛んで一周するのには、一週間かかると言う事なのです。 その上、予備の機体が有りませんので、この機体が故障とか、定期整備になれば、その間は運休なのだそうです。何とも頼り無いと言うか?のんびりと言うか?
だから、第二部の:100万円のクイーンエアーで太平洋横断:に出て来た、:チキチキバンバン:の一件の時、私が気に入ってしまった、現地のガソリン屋のお友達が、あの糞暑い中での作業の時、「何でそんなに急ぐ?」とのやりとりの事が納得できます。
此処からクワゼリンに飛べば否応無く、クワゼリンに次の便が来る迄、一週間滞在しなければなりません。当然、此処マジェロに戻って来るのは、一週間後と言う事になります。
ドルニエに乗り込んで、周りを見回したら、乗客は私達:下手物集団:以外は現地の人達です。胡散臭そうに?興味深げに?逆に見られてしまった。
此処の人達の目に写ったのは、やはり違った動物だったのでしょうね。
何カ所かの小さな島を経由しながら、クワゼリンに着いた。勿論その間、乗客が入れ替わりながら・・・:下手物集団:が、此処クワゼリンで降りたら、次への乗客が乗り込んで、次の島へ・・・まるで乗り合いバスに乗っている様でした。
ドルニエを降りてターミナルと思える建物に、護衛付きで案内された。なぜか、必要以上に警戒が厳しいのです。
何でこんな所に米軍のセキュリテーが居るんだろう?腰には、コルトの45ミリタリー(軍用拳銃)を落とし込んでいるのです。その中に、一人ブロンドのキュートな米兵が私達をチェックしているのです。こんな:かわゆーい:女の子にだったら、思いっきりボデイチェックをお願いしたい!・・・「おいおい!おっさんよー、ソープランドじゃないんだからー。そんなに悶えてどうゆう神経してんだよー」・・・
それにしても、ブロンドの髪にブラウンの瞳・・・んもー、ミリタリーに置いとくには、勿体なーい!おっさんは、馬鹿だー、ちょんだー、なんとでも言われようと・・・益々悶えちゃうー!・・・殆ど:とち狂って:しまったのでした。
余りにも警戒が厳しいので、大将に聞いてみた。
此処クワゼリンは、世界有数の大きな環礁で(くわしい数値は、忘れて仕舞ったが、周囲が50KM以上有るらしい)、米軍の弾道ミサイルの実験用の基地なのだそうだ。
此処が、アメリカ本国から発射した弾道ミサイルの着弾地点なので、一級の機密基地なので、厳しい警戒なのだそうだ。
此処へ来た理由を聞かれたので、「零戦の残骸を探しに来た。」といったので、スパイと思われたらしい。大将が一人のMPと一緒に車で、別の建物へ連れていかれた。
又、ホノルルの二の舞か?どうも大将は、ドラッグの運び屋に見られ易い?
それにしては、俺はタッツーを見せろとは言われなかった。でも、あのブロンドに「見せてーん!」って言われたら、超スペシャルで日本男児のウタマロ象徴迄も、ご開帳したかもねー!
大将が逢いに行った相手は、この基地の総指令官だったのでした。
此処クワゼリン環礁の何とか島に、零戦の残骸が有る事を確認に来た事を、告げると、「そこに行くには、米本国のペンタゴンの許可が必要で、余程の理由が無ければ許可は出ないだろう、零戦の残骸の調査位では、殆ど不可能である。」 それと、「確かについ最近迄は、有ったようだが滑走路の延長工事で処分してしまった。」と事もなげに言われたのでした。
万事休す、無い物を探す訳にはいかない。皆でがっくり・・・
その上、この島では、機密基地なので滞在する事は出来ないと言う。軍のフェリーボートで隣の島へ渡り、その島にホテルが有るので、其処で滞在して欲しいとの事でした。
次の飛行機の便が来る迄の一週間は、どうしようもないのです。
フェリー乗り場で待つ事約一時間、日除けにしかならない様な待合室で、汚いベンチへ腰掛け、バッグの中からウイスキーと、裂き烏賊の摘みを出して飲み始めた。
三々五々、現地人が待合室に集まって来た。皆さん、:下手物:四匹を怪訝な顔で眺め回す。何となく場違いな感覚で、こそばゆい・・・
その中で、子供が一人興味深そうに俺を見ている。ウインクして、手招きしたら側へ来たので、裂き烏賊を上げた。怪訝そうに俺の顔を見てる。
俺が、裂き烏賊食べて見せて、お前も食べろとゼスチャーをしたら、そろそろと口に運んで食べ始めた。彼には、初めての経験だったのだろう。
その子供の側に、老人が座って居た、たべるか?と裂き烏賊を差し出したら、日本語で「有り難う。」と言う。吃驚仰天・・・こんな辺鄙な島に、日本語が話せる現地人がいるなんて・・・
ついでにウイスキーを勧めたら、気さくに受けて、ウイスキーを飲みながら:さくらさくら:を歌い出した。又々吃驚・・・辿々しい日本語で言うには、戦時中、占領していた日本軍に、教育を受けたとの事だった。
やはり、ここには零戦が有った事は、間違いない様だった。
それにしても、こんな所で日本語を話す現地人がいるとは、戦争の跡が零戦以外にも、まだ残って居ることを痛烈に感じました。
軍の上陸用舟艇を改造した、住民用のフェリーに乗って隣の島へ渡った。
料金が只ってのが気に入ったねー。
島へ上陸して驚いた。小さな狭い島に、住民がごちゃごちゃ住んでいるのです。
聞く所に依ると、この環礁の全ての住民を、強制的にこの狭い島一カ所に集めて住まわせ、生活費その他を、米軍が負担しているとの事だそうです。
この環礁目がけてミサイルが飛んで来るので、住民への危険を回避する為の処置なのです。
原爆実験のビキニ環礁と同じ事を、此処でも行われているのでした。
それにしても可哀想なのは、原住民です。僅かばかりの金で納得させられたのは、想像出来ました。
それ以上に、もっと可哀想なのは、四匹の:下手物達:です。何しろ赤い灯、青い灯が身について、贅沢三昧に暮らしてきたのですから、一気にこんな耐乏生活が出来そうに:ありましぇーん:
この島唯一のホテルに、チェックインした。これから一週間の滞在です。
滞在なんて言うと格好良いのですが、なんの事は無い、一週間の暇つぶしです。
それにしても糞暑い。帽子を被らないと頭の地肌が焦げそうです。現地人は、平気で炎天下に帽子無しで居ます。どんな身体の構造になってんだろう?
頭だけではないのです、じりじりに焼けた地面を裸足なのです。
前回、大将とマジェロのホテルで誘われたあの:美人:を思い出してしまった。
足の裏が、ベトコンサンダルに変化?発達?してしまう理由付けが出来ました。
この島にも、夜が訪れます。やはり、赤い灯、青い灯は見あたりません。空を見上げると星が輝いています。空気が澄んで居るので、日本の夜空とは比べ様も無く綺麗です。
星座に関する知識に乏しい私には、これ以上の表現力が有りません。
どうもいけません、この:四匹:は赤い灯、青い灯が見えないと活きが下がった鰯の目の様になってしまいます。
感の鋭い:狸ちゃん:が、夜の散歩に出て、直ぐにすっ飛んで帰って来た。息を弾ませながら、レストランらしきものが有ると言う。
「そんな馬鹿な?」と大将が言う。
「どうせ閑なんだから行って見よう。」「もしかして、良い女がいるかもしんないよー。」
大将と俺は、前回マジェロの:美人:を経験済みなので、女なんて期待しなかった。俺と大将は美味い食い物が有って、酒が飲めればそれで良かったのです。 しかし、:狸ちゃん:と:子猪八怪:は、期待に胸躍らせて、:四匹:は連れだってレストランらしき場所へ、:狸ちゃん:の案内で出掛けたのでした。
昼見た時には、全然レストランらしく見えなかった建物も、明かりが点灯いて、テーブルらしき物が並んで居ると、何となくレストランらしく見えるから、目の錯覚とは恐ろしい。
テーブルに座ったら、どうにか女には見えるが、胴体と腰の堺が判別出来ない程グラマラスな:おばはん:が出てきて、何やら喋って居る。
何を言っているのかさっぱり解りません。首を傾げたら、英語らしい喋りに変った。現地訛の英語なので、私達:三匹:には解りません。
流石、大将には通じたらしく、メニューらしき物を持って来た。
メニューを見ても、想像も付かない物ばかりです。適当に大将が魚料理のメニューをオーダーして、次に酒を聞いたら、バドワイザーしか無いと言う。それも篦棒に高く、しかも冷やしてないと言う。
:子猪八怪:に、日本から持って来た焼酎を、部屋に取りに行かせて、焼酎と訳の解らない魚料理で、綺麗な星空の下で:下手物:四匹での宴会が始まったのです。
一つ心配な事が有りました。このペースで毎晩飲んで居たら、日本の酒のストックは、一週間持たないだろうと言う事です。
それにしても、退屈、退屈の連続。朝起きて、:狸ちゃん:と:子猪八怪:がラーメンを作って、それを皆で食うと、もうする事が無い。
外へ出ると肌が火傷しそうな暑さなので、外へは出たく無い。
それでも、俺は釣り道具を持って来たので、帽子を被って長袖のシャツと長パンツで、暑さを我慢して釣りに出掛けた。
子供達が、何人か釣りをしていたので覗き込み、使って居る餌を見たら、烏賊の切り身みたいのを使って居た。身振り手振りでその餌を貰って針に付け、糸を
垂らした。が、全然当たりが有りません。
その内、突然雲が沸いて来て、周囲が暗くなった。子供達が一斉に、蜘蛛の子を散らした様に、居なくなってしまった。同時に雨がもの凄い勢いで降って来た。
降って来たと言うよりも、上から水をぶちまけたと言う方が解り易い様な、南方独特のスコールのお見舞いです。
俺は、シャツとズボンを脱いで、パンツ一枚の裸になり、シャツを手ぬぐい代わりにして、身体を洗った。こんな時は:アルマジロ:の越中が便利と言う事がつくづく理解できました。せこいホテルのシャワーよりも何倍も快適でした。
「次からは、石鹸を用意して来ようっと。」
スコールは、ほんの10分程で止んでしまい、跡には、遠くに綺麗な虹の架け橋が浮かんで居ました。
スコールのシャワーを浴びてる間に、せこい、名も知らない魚が掛かって居ました。今日の漁獲?収穫?は、その一匹だけでした。
物珍しさで、こんな事で紛らわして過ぎたのは、精々、三日目迄です。段々する事が無くなって来た。
赤い灯、青い灯が見えないと、男達はこんなにも荒んで来るのでしょうか?怒らなくても良い様な些細な事で、腹を立てたり、(勿論:キャーン玉:は、もっと押っ立ててます。)こんな事では、酒のストックが無くなった時が心配です。
目的の、零戦を見つける事が出来なかった大将の心の中は、きっと大荒れだったのでしょう。
明日が帰れると言う日迄、どうにかこうにか飲み繋ぎ、食い繋ぎしながら、自棄のやんぱちで過ごしました。
結局、:狸ちゃん:のキャンプ道具は、炊事用具とコンロだけしか使用せず、酒類と、ラーメンは、完全に、四匹の腹の中に収まったのでした。
零戦の面影も見る事は出来ませんでしたが、帰る日が来た時は、正直にほっとしました。もう、この島には二度と来る事は無いだろう。
それにしても、こんな南方の果ての小島に、良くも進出して来たものだと、日本軍の力の凄さを見た様な気がしました。
さようなら・・クワゼリン・・・有り難う・・・クワゼリン・・・
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