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(DEC.1998) ふれんどりー ‥‥友がいる。夢がある。
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駅前の〔朝市〕へ行くことにした。ここでホタテ貝などをドッサリ買い占めたのである。 買った土産品の重さは、1箱当たり約15kgである。齋藤さんへの土産品を含めると60kgとなる。その重量はザット1人分に相当するのである。筆者は勝手に悩み、機長に尋ねることにした。なぜなら、?土産品を飛行機に積むか、?宅急便で送らせるか、?人間一人を函館に残すか――の1つを選択しなければならなかったからである。答えは、簡単に出た。消費した燃料を差し引けば、何とかなるという。離陸さえすれば、後は言わずとも知れたこと。筆者の老婆心であった。実は、函館に残る人を決めるための4人で引く“アミダくじ”を作りたかったのよ! ウフフフ‥‥‥‥フ! いよいよ帰りのフライトである。函館空港を15時50分に離陸した。高橋さんの切なる願いにより、機長はあらかじめ函館山と五稜郭上空のクルージングを申請してくれた。ありがたいことである。離陸後、間もなく函館山の上空にさしかかる。大きく左に旋回、続いて五稜郭である。左手の眼下に星型の五稜郭が目に入る。「あれが五稜郭? 」と筆者が問い掛けると、高橋さんは「ウ−ン」と黙ってうなずく。晴天に恵まれたおかげで、見渡す風景は口では表せないほどの素晴らしい情景だった。 進路を南にとり、一路、山形空港へと向かう。200馬力・4気筒のエンジンは 2,500rpm |
の回転で、順調な飛行を続ける。高度は約 2,800mで、追い風にも恵まれ巡航速度は時速約 300kmである。17時を過ぎたころ、太陽は西に沈みかける。真っ赤な太陽が異様にまぶしい。すごく美しい光景だ。「今日、乗せてもらって本当によかった」と、みんなが口をそろえて言う。機内であらためて池田機長に感謝した。
新庄市の上空を過ぎたあたりから「 Hello JH7NVM , This is JR7LKX‥‥‥‥」と高橋さんが、山形空港に来ている齋藤さんとコンタクトする。今度は首尾良くつながったようだ。あたりは暗くなってきた。もう高度は、だいぶ下がっている。機長は山形コントロール・タワーに着陸の許可を求めた。着陸OKである。タワーとの無線連絡は、全て英語である。脇で聞いている筆者は、すごくうらやましく思えてならなかった。筆者は 20年前、アメリカで2か月間にわたって滞在した経験があるからだ。
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